皆さん、こんにちは。
本学の授業で、学生諸君が会社経営者の方のお話を聞く機会がありました。紹介します。
九州共立大学では1年生の必修科目として「職業とコミュニケーション」という科目を開講しています。「職業とコミュニケーション」は自分らしい働き方や生き方を考え、自らの課題を発見し目標を立てるための学びを行う科目です。
他者の考えに耳を傾けることで自分の考えを固め、それを表現するためのコミュニケーション能力を高めること、社会で生きていけるだけの基礎的な力や技術を身に付けることを科目の目的としています。経済学部、スポーツ学部ともに開講されています。
11/24(水)2限目の経済学部 経済・経営学科1年生の「職業とコミュニケーション」は、起業家の方や本学出身の公務員の方を招いて開講されました。複数の教室に分かれ、各教室で起業家の方や本学出身の公務員の方から学生諸君へ話をしていただきました。
今回は142教室で行われた、企業経営者・龍 洋一朗さんのお話を紹介します。
龍 洋一朗さんは「株式会社 LUXSEED」という会社を経営されています。業種は「輸出・輸入業」「日用品を中心にした販売(通販)業」「経営コンサルティング」「個人の資産運用の相談業務」です。
龍さんは受講生に向けて、前半では「起業した経緯」、後半では「投資家になることのメリットとデメリット」等を語られました。その一部を紹介します。
龍さんは福岡県久留米市出身の34歳です。その風貌は「若き青年実業家」という感じです。
龍さんは福岡大学法学部在学中に株式投資を始めたとのことです。大学時代には株式に関する本を300冊くらい読まれたそうです。
↑ 龍 洋一朗さん (株式会社LUXSEED代表取締役社長)
大学卒業後、就職した会社を入社2週間で退社。何をすべきか迷う中「自分は投資に関する知識がある」と考え、23歳の時に投資と証券の顧問会社に入社されました。
そして26歳で個人事業主としてファイナンシャルプランナー事務所を開設。
28歳の時に「株式会社 LUXSEED」を設立し、現在に至っているとのことです。
龍さんは、起業して感じたこととして、次のようなことを語られました。
「起業した会社の半分は1年以内に潰れています。会社を経営していて順風満帆のままということはあり得ません。生き残っている会社でも、ほとんどの経営者は複数回、地獄を見ています」
「経営者と従業員には圧倒的な経験の差があります。経営者はすべてを自分で決めなくてはいけない。それが経験の差になります」
「経験を積むことは、その人の言葉の重みや説得力につながります。これは経営に限りません。例えば、ユーチューブにアップされた画像で面白いと思えるものは、その映像の裏に作成者の経験や蓄積された知識の存在が感じられます」
そして、投資については
「投資は、商品を自分の目で見て自分の頭で考えないと失敗します。世の中の個人投資家の9割は失敗しています。正しく勉強せず中途半端な知識で行った投資は負けにつながります」
「投資はギャンブルではありません。100%確実に勝てる投資というものはありません。投資で利益を出している人でも負ける投資を経験しています。投資は勝率より利益率で考えないといけません。勝った投資の利益で負けた投資をカバーするのです」
「投資の際は感情的になってはいけません。投資は理論的に冷静に行う必要があります。そのためには過去の投資での失敗をノートに記すなどして、見返し、反省し、次に生かすことは有効です」
最後に投資家になるメリット、デメリットとして…。
メリットとして「お金が増えること」のほかに「世の中の仕組みがよくわかるようになること」と語られたのが印象的でした。
「資本主義の世の中は金持ちが金持ちになる仕組みが出来上がっています。その仕組みに取り込まれて生きるのか、仕組みを回す側で生きるのかを選択すべきです」
デメリットとしては「(失敗したら)お金が減ること」。
そして「孤独を感じるようになる」「友達が減ることがある」とのことです。
「投資は一人でするものです。『売り』も『買い』も、最後の決定は自分で行うことになります。利益が出れば最初は楽しいですが、投資を続けているとそれが日常となり、高揚感は失われます」
「利益が出ても、損をしても、他人には話しにくいことです。投資を続けていると他の人が見ることができない世界を見ることができますが、昔からの友達と話が合わなくなり疎遠になってしまうこともあります」とのことでした。
このお話、なんだか深いですよね。私はこのお話には、前半で語られた「経営者が持つ経験量の大きさ」と共通する重いものを感じました。
来月も「職業とコミュニケーション」では、このようなお話を聞く回があります。今回、龍さんのお話を聞いた受講生は、次回は本学出身の公務員の方のお話を聞くそうです。私もまた参加させていただきレポートしたいと思っています。
龍 洋一朗さん、興味深いお話をありがとうございました。
《 T.N 》