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霜月祭特別学術講演会開催

10月25日(日)に、創立50周年記念「霜月祭特別学術講演会」を開催しました。

今回の講演会では、九州大学大学院教授藤原惠洋(ふじはら けいよう)先生を講師にお迎えし、「足思手考と文化遺産~世界遺産を物語る心~」というテーマでご講演をいただきました。

藤原先生は、文化遺産による地域再生の活動を推進し、日本イコモス国内委員会の委員として、本年7月の「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録にご尽力されるなど、ご専門の建築史学にとどまることなく、学際的、国際的に、文字通り東奔西走のご活躍を展開しています。

当日は、日頃の活動に基づいた具体的なお話を頂きました。特に「廃墟」と「遺産」との違いのご説明が印象的でした。

『軍艦島などを廃墟として楽しむ風潮が一部にありますが、そのような見方をしてしまうと、人々の営みと断絶した存在となってしまう。遺産として捉え、建造物が作られ使われてきた文脈、関わった人々の矜持(きょうじ)、そこで生まれた紐帯(ちゅうたい)の三点を再生することが大事だ』と、明快に説かれました。

質疑応答の時間には、ご多忙中にもかかわらず予定時間を超えて丁寧にお答え下さり、先生のお人柄の窺われるお話しぶりに引き込まれながら、学問というものの豊かさや、奥行の深さの一端に触れた有意義なひと時となりました。

  • 霜月祭特別学術講演会開催の様子
  • 霜月祭特別学術講演会開催の様子